一瞬と戦う。
一瞬と戦っていた。
一瞬が過ぎると次の一瞬と戦った。
一瞬は素早く僕にナイフを突き立てる。
一瞬で僕は刺されるが、血も一瞬で消える。
綺麗になった次の一瞬、冷たい言葉に涙する。
でもその涙は一瞬で消える。
一瞬、僕も透明なギターを響かせる。
一瞬の歌。
。。。
何もかもが気に入らず、何もかもから嫌われる太っちょの男がいた。
友情は壊し、愛情も壊し、親すらも粗末に扱った。
食べ物もすぐにケチをつけた。
誰からも愛されず、誰をも愛す術を知らなかった。
愛す方法を知らず、孤独になり最後に道端の小さな花を愛でた。
花は少しして枯れた。
。。。
透明な時代がループしたのか?
違うんだよ。
もう螺旋階段をひとまわりしたようになってる。
似てるようで違う一段階上にきてる。
バージョンの違うところ。
あの頃によく似た今。
古い未来。
新しい過去。
。。。
まだ僕の書くことはあるような気がする。
でもまだ見えてない。
わかんない。
あと一冊は書きたいのです。
。。。
裸足のまま夢は終わる。
裸足のまま愛が始まる。
裸足のままアスファルトを走ってみる。
冷たい。
痛い。
けれど、朝のアスファルトの道を、凍った道を、あなたは走る。
裸足のまま夢は終わる。
夢は終わるものなのかな。
夢はかたちを変えていくだけじゃないかな。
だから裸足のまま走る。
。。。
美しいものとは、川に落ちているペットボトル。
鳥かと思った。
キラキラと太陽の光が、川面を走り飛び立つ鳥がいるのかと思った。
よく見るとなんでもないペットボトルで、川面に引っかかっているだけだった。
でも美しいものとはそういうものかもしれない。
屈折した心が見つけた。
。。。
なんでもなくて、誰もが経験してる日常が、ふわりと2センチくらい浮き上がる。
そんなほんのすこしの魔法。
そんなほんのすこしの歌。
そんなほんのすこしの君のこと。
ねえ、僕たちは鏡だよ。
お互いに鏡を探しているストレンジャーだよ。
。。。
光とはいろんな角度から見ると、違ったものに見えます。
その不思議を。
その素晴らしさを。
その怖さを。
それぞれの心を。
光とはなんだろう?
その夢のなかを。
思い出のかたちを。
これから起こる未来を。
少しでもいい席で見てください。
ここ席空いてますよ。
。。。
枯れた花と一緒にお風呂に入る。
私が水をあげなかったために花を枯らしてしまった。
急な旅行だったから。
枯れた花を見て、疲れた自分を感じて、その結果、
お風呂に一緒に入ろうと思った。
再生と供養のために。
湯船のなかで枯れた花を見つめていたら、
旅は終わった。